Tuck 卒業生による奨学金を創設、ビジネスリーダーを目指す日本人学生を支援

瀬戸欣哉氏(T’96)が奨学金を寄付、日本の経営人材強化に向けて新たな取り組み

当校の卒業生である瀬戸欣哉氏(1996年卒)は、様々な側面で、次世代を担う若者や社会全体に対して長期的に貢献することを目指してきました。そうした背景から、瀬戸氏と妻の陽子氏は、米国のビジネススクールTuckでのMBA 取得をサポートすることが、日本の次世代を担う人材がビジネスに関する知識を深め、さらなる活躍ができるようになると考え、奨学金の寄付を決めました。

水まわり設備機器と住宅建材のグローバルメーカー株式会社LIXILのCEOである瀬戸氏は、こう説明しています。「Tuck に入学した学生は、卒業時には、優れたビジネスリーダーへと成長しています。Tuckでの2年間のMBAプログラムは、ビジネスリーダーとしてのキャリアアップを実現し、社会に貢献できる人材になるという大きな成果を得るための投資だといえます」。

日本では、海外のトップスクールの MBA プログラムは、ビジネスリーダーを目指す学生にとって最善の学習機会だと考えられています。一方で、米国の MBA上位校に入学を希望する日本人の数は、過去20年で激減しているといわれています。

瀬戸氏が Tuck に入学した当時、MBA 取得を目指す日本人学生の多くは、雇用主から経済的支援を受け、社費で留学するのが一般的でした。しかし現在では、企業がMBA留学の資金援助を行うケースは減少しており、入学希望者にとっては経済的な負担が懸念となっています。瀬戸氏は、日本や東南アジアなどの入学希望者が少ない国々の学生に対して、奨学金を提供することで、安心して勉学に集中し、ビジネスリーダーとして求められる知識やスキルを習得できる機会の拡大につながってほしいと考えています。

Kinya and Yoko Seto

瀬戸氏と妻の陽子氏は

瀬戸氏は、MBA でビジネススキルを磨くことを希望する日本人学生にとって、Tuckが最善の選択肢となる理由はいくつかあると言います。 少人数制教育と世界最高峰の教授陣による授業が受けられることに加え、学習に集中できるTuck 独自の環境は、他のスクールと最も違う点です。

「効果的な学習のためには、最適な環境を選ぶ必要があります。多くの場合、重要なことに集中するには、他の世界から隔離された、誰にも邪魔されない安全な環境が必要です。この点から言えば、Tuck の他にこの条件を満たすビジネススクールはありません」と瀬戸氏は説明します。

Tuck のプログラムのもう一つのメリットは、さまざまな状況に応用できる基本的なスキルを習得できるよう、General Managementのプログラムに力を入れている点であると瀬戸氏は考えます。さらに、強い結束力が期待できる少人数制のクラスによって、学習成果が上がり、生徒は共に学習することの重要性と意味を理解することができます。

「生徒数の多い学校に入学しても、やり抜くことはできるかもしれません。しかし、お互いに隣合せで学ぶことができる少人数制の環境は、長期的な成功を築き上げていく上でベストだと考えます」と瀬戸氏は言います。

もちろん、Tuckでの経験は、素晴らしい教授陣なくして語ることはできません。Sydney Finkelstein 教授と Vijay  “VG” Govindarajan 教授との出会いは、瀬戸氏の起業家及びビジネスリーダーとしての輝かしいキャリアに大きな影響を与えています。  Finkelstein 教授の戦略的リーダーシップのコースを受講して、経営上の決定が人々の生活にいかにインパクトを与えるかということを、徹底的に教え込まれたと言います。

「経営において何かを決定する際には、常に相手のことを考えなければなりません。例えば、従業員を解雇するか否かといった難しい決断に迫られた場合、解雇された人の明日は昨日とは全く違う一日になるだろうという現実を理解し、その点に配慮することが重要です」と瀬戸氏は語ります。

Govindarajan 教授から経営を学んだことは、瀬戸氏にとって貴重な体験でした。最近では、Govindarajan教授と協力し、同教授の著書である”The Three-Box Solution: A strategy for Leading Innovation”に基づいて、LIXIL の経営幹部向けの研修プログラムを実施しています。

瀬戸夫妻は、より多くの日本人学生がTuckで MBA 取得を目指すことができるよう支援していきます。このような機会を提供することで、日本の競争力を高め、日本と米国、そして、自由経済を推進する国々との友好関係と相互理解の強化につながると考えているからです。

「若く有能な日本の皆さんが Tuckで学び、素晴らしいビジネスリーダーになるためのスキルを磨くとともに、米国文化への理解を深める機会にしていただきたいと思います」と、瀬戸氏は述べています。